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学校法人設立の児童発達支援&放課後等デイサービス

同時処理と継次処理って?

「同時処理」「継次処理」って聞かれたことはありますか?みなさん、何をするにしても「処理」をしています。情報を整理したり、記憶したり、理解したりする方法には「同時処理」と「継次処理」があると考えられています。全体像を見て理解し、情報処理するのが「同時処理」、順序立てて理解し、順番に処理していくのが「継次処理」です。

通常はどちらもバランスよく発達するとされていますが、発達に特性を有する子どもには、情報処理が大きく偏っている場合があります。(幼児ではまだ「処理」する作業が難しいので、主に小学校中学年以降のお子さんをイメージしてください)。それぞれにあった指導法があり、伝えるときの言葉がけも変わってきます。一度参考にしていただければ嬉しいです。

 

 さて、ここで質問です。あなたは昨日の晩ごはんに何を食べましたか?パッとテーブルに並べられているメニューを映像で思い出すのが同時処理。「まずはハンバーグ食べて、その後お味噌汁飲んで・・・・」と、時間の流れに沿って思い出すのが継次処理です。

 まずは同時処理が強い方です。同時処理タイプの方は下記のような特長があります。

・まずは全体をざっくり把握し、その後部分的な把握をしようとする

・視覚的な手がかりを重視する

・複数の情報を関係性を踏まえて理解する

・空間位置関係で捉える

などなどです。

 同時処理タイプのお子さんへの指導法としては、「~をするためにはどうする?」「~を達成するためにはどうしたらいいかな?」のような言葉がけが有効なことが多いです。目的をはっきりさせるということですね。あとは図示などでまとめるとなお、理解しやすいです。

 

次に継次処理が強い方です。継次処理タイプの方は下記のような特長があります。

・部分から把握し、全体像をつかもうとする

・聴覚的な手がかりを重視する

・1つ1つ順序だてて理解する

・時間軸に順を追って捉える

などなどです。

 継次処理タイプのお子さんへの指導法としては「~のときにはどうしたらいいかな?」「~をやった後には何をするんだったっけ?」等、時間を意識した言葉がけが有効なことが多いです。

何かを見せるときでも、矢印などで「順番」を意識すると子どもの理解も上がります。

 

「どちらか一方が優秀」なのではありません。子どもの得意な情報処理方法を見つけ、支援することで子どもの学習への理解度が上がり、意欲が高まります。

いかがでしたか?子どもと接するときに、少し参考にしていただけると嬉しいです。

 

※文中に掲載している画像は、フリー素材のものを使用しています。

 

(参考文献)

藤田和弘,熊谷恵子,熊上崇他(2016):長所活用型市道で子どもが変わる Part5 図書文化社